産地と人々
私たちがお世話になっている産地の生産者さんたちは、その経験と知識を活かし、土づくりから徹底してこだわる稲作に心血を注いでいます。
「今年はこういう気象条件だから、この品種にはこういう対策が必要。」
お米の品種ごとの特性に応じて、毎年変化する自然環境の中、新しい挑戦も繰り返しながら、謙虚に、手間暇を惜しまず妥協無く米づくりに打ち込む人たちばかりです。
人の情熱が旨い米を育てる
そうした“お米のつくり手”の方々の中から、山形県南陽市宮内、通称『おきたま盆地』の、『おいしいお米の会』さんを紹介します。
米の里
おきたま盆地
四方に2,000m級の山々が連なる『おきたま盆地』は、お米の登熟(※)に欠かせない、日中の『暖かい気温』と朝晩の『涼しい気候』という条件を備えており、夏期の昼夜寒暖差は10度以上。加えて、山々から流れ出す清らかな水は、“母なる川”最上川の源流となり、田園地帯を潤します。
登熟:穀物の種子が次第に発育・肥大すること
おきたまの田の土は、稲の生育に適した『グライ土』や『灰色低地土』が大半を占めており、良質な堆肥を織り交ぜながらの土づくりが、豊穣な田んぼをつくり上げています。
命の源流
最上川
奥羽山脈の山々から恵まれた水を満たす最上川源流域。その豊かな水は日本有数の米処、おきたま盆地(現米沢盆地)に流れ込み、栄養豊富な土壌を育みます。
土を知り、米を知る。
「うちの田んぼでは、この品種の最高の味はこういう味。」
ということをしっかり熟知のうえで、
「冷えすぎたとき(または暑すぎるとき)はこうしよう。」
と、気温変化を注視しながら様々な工夫を凝らしたり、降雨量や日照日数などによって作業のタイミングを絶妙にずらしたりしながら、毎年安定した品質のお米を作り続けています。
米作りは一期一会。
毎年、産地にお邪魔して作り手の方々と様々なお話しをさせていただくのですが、そんな中でこんな言葉をいただいたことがありました。
「わしらは、どんなに考えても、一生のうちに60回ぐらいしか、お米をつくることが出来ない(収穫は年1回きりのため)。だからこそ、一年一年、本当にこだわるし、一年一年、真剣につくる。」
その他の主な産地「 飯豊米ネットワーク 」
米沢牛の産地としても名高い山形県飯豊(いいで)町は、標高2,000メートルを超える飯豊山の伏流水があふれる、美味しいものが豊富な土地です。あまりにもおいしい食物が育つ事から『飯-めし-』が『豊-ゆたか-』、これが飯豊町の名前の由来と言われています。
その飯豊町の添川・小白川地域を中心に、稲作作りを4家族二世代で営んでおられる『飯豊米ネットワーク』さん。
彼らが取り組むのは特別栽培。白川から流れる綺麗な水が育んだ豊かな土壌に、米沢牛の堆肥、ミネラルを含む有機肥料を混ぜ込む減農薬法です。
農業法人として「安全で安心の最高のお米」を信念に掲げ、日々田んぼに足を運び、手を抜かず精一杯おいしい米作りに励んでおられます。
豊かな大地、水、気候、そして彼らが一生懸命手を加えることにより、飯豊米はどれをとっても一級品のお米に育っています。